そうよね。
そんな都合良く拾う様な物じゃないもの。
「それなのに、雅貴さんは萌さんに返さなかったんですか?」
「返そうとしたよ。ただ優花がさ、俺から返したら、萌が気にするからって、あいつが返しに行ったんだ」
「麻生さんがですか?」
「ああ。気が進まなかったんだけど、女同士うまくやるからって。でも、受け取りたくない、捨てて欲しいって言われたって帰ってきて…」
ええっ!?
何よそれ。
「まさか、萌さんが?信じられないですけど」
そうでしょ?
そうよね?
葉山さんでも思うのに、雅貴は信じたの?
「俺も、とても信じられなかった。靴を探しに行った萌を思い出せばね。だけど、元は突き返されそうになったものだし、萌には新しい男が出来たし…」
そっか…。
信じなかったのは、私も同じだ。
麻生さんの言葉を信じちゃった。

