何を直すんだろう?

「あら?これ、靴じゃないですか?」

靴?

「そう。萌の靴なんだけど、ヒールが壊れてるだろ?」

えっ!?

あの靴を持ってきたというの?

捨てるんじゃなくて?

確か麻生さんは、雅貴が処分するとか言ってたのに。

「本当ですね。何かに踏まれた様な感じですね。まさか、車とか?」

葉山さんの声は、あきらかに驚いた感じだ。

「そうなんだよ。俺が見つけた時は、脇道に転がっててさ。信じられないだろ?萌のやつ、持ち歩いてて落としたんだよ」

ええ~!!

ちょっと待って。

麻生さんが拾ったんじゃないの?

頭の中が混乱してくる。

「そうなんですか。時間はかかりますが、修理に出せば直せますよ。それにしても雅貴さん、大変な事になりましたね。とてもお疲れみたいで」