ガラスの靴をもう一度



どうやら、雅にぃは常連らしい。

こんな店の常連なんて、やっぱり住む世界が違う人なんだわ。

ううん。

ただ、気が付かなかっただけかも。

中学の頃から有名私立に通って、アメリカ留学。

最初から、私と雅にぃは違っていたんだ。

時々感じる雅にぃとの距離に、子供の頃は持たなかった寂しさを覚える。

「存じています。可愛らしい方。どうぞ、ごゆっくりご覧ください」

20代半ばくらいのその女性は、小さく微笑むと会釈をした。