どこまでも、心が見透かされているみたいで、返す言葉が見つからない。

「萌ちゃんにとって、社長はただの片想いの相手なのか?幼なじみって事は、昔からの知り合いって事なんだよな?」

もうこれ以上、隠し通せない。

疑惑を持った川上くんに、隠し続ける事の方が誠意のない態度だ。

ひとつ深呼吸をして、私は話し始めた。

「私と社長…、雅貴はね、私が産まれた頃から一緒だったの」

全てを、一つずつゆっくりと話した。

付き合っていた事も、麻生さんの話しも、全てを聞いた川上くんは、ショックからか言葉を失って、ただ呆然としていたのだった。