ガラスの靴をもう一度



シンプルな百貨店の紙袋。

確かに、可愛くもなんともないけど、雅貴から貰える物は、私には輝いて見える。

「いいんですか?」

チラッと崇史さんに目を向ける。

あの数冊ものファイルを持つのは、けっこう辛いと思うけれど。

すると、崇史さんは気が付いたのか答えた。

「私たちは車ですから、気にしなくていいですよ」

「そうですか。それじゃ、お言葉に甘えて…」

ゆっくり受け取ると、雅貴は小さく微笑んだ。

「社長、そろそろ向かわないと。麻生さんが先に着いていると思うので」

“麻生さん”に、心は敏感に反応する。

仕事絡みなんだろうけど、今から麻生さんに会うんだ…。

もしかして、二人はヨリを戻した?

“雅貴が選んだのは私”って言ってたくらいだもんね。

それは、二人がヨリを戻すという意味に違いない。