ガラスの靴をもう一度



「足元を見られるの?」

「そうだよ。どんな靴を履いてるかで、人柄まで決めつけられたり」

苦笑いする雅にぃは、信号で停まった瞬間、私に目を移した。

「萌も萌に合う靴を持ってた方がいい」

優しい眼差しに、心も温かくなる。

「うん。ありがとう…」

ガラスの靴になってくれたらいいのに。

雅にぃが、本当に王子様ならいいのにな。

15分ほど走ると、車は高級ブランド店の前で停まったのだった。