ガラスの靴をもう一度



雅にぃの車は、高校生の私には想像もつかないほどの高級な車。

黒塗りのセダンタイプで、座席は本革らしい。

マニュアル車って言うらしく、車内はうっすらと甘い香りがする。

雅にぃは車が好きみたいで、そんな事も知らなかったところに、6年間のブランクを感じたり…。

「今日は萌に、靴を買ってあげたいんだ」

「靴?」

雅にぃはハンドルを握って、機嫌良く車を走らせている。

「そう。萌も高校生だろ?質のいい靴を、持っていた方がいいと思ってさ」