魔法は解けてしまった。

雅貴がかけてくれた、夢の時間はもう終わり。

あの日、雅貴と初めて想いが通じ合った日、私はこんな未来を想像した?

ううん。しなかった。

当たり前の様に、長い未来を雅貴と一緒に、いられると思ったもの。

だけど、私を待っていた未来は違った。

違ったんだ…。

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「それでは、今日の会議を始めます」

ああ~、そうだった。

会議では、嫌でも雅貴と顔を合わせるんだったわ。

嫌だな…。

気が重い。

雅貴も私と目線を合わせてくれないし、麻生さんはどこか見下した様に私を見るし…。

その中で唯一、私を睨むかの様に見ている人がいる。

それは、崇史さんだった。