麻生さんが呼び出した場所は、雰囲気のあるフレンチのお店だった。
とても大きな声では話が出来なさそうな上品な雰囲気で、会社帰りでスーツ姿なのが救い。
「ごめんね。突然、呼び出して」
「いいえ。むしろ、ありがたいです」
麻生さんて、こうやって見ると本当に綺麗。
スーツ姿は知的で、肌はきめ細かくて、知性そのもの。
雅貴が好きになるのも納得だわ。
「単刀直入に言う。雅貴から全て聞いたわ。私たちの関係も、知ったって事よね?」
「はい…。知りました」
麻生さんには、ちゃんと話すんだ。
隠さないんだね。
それは、何故なのか今なら知りたい…。
「それで、麻生さんは何を言いたくて呼び出したんですか?」

