なんてもどかしいんだろう。 雅にぃからは、家には来ちゃダメと言われていて、住んでいるマンションを教えられていない。 “萌はまだ未成年なんだ。いくら俺の所でも、男と二人きりになる場所には行っちゃダメだよ” なんて言ってたのよね。 私、やっぱり妹以上にはなれないのかなぁ。 小さくため息をついた時、見慣れた車が滑り込んできた。 「萌、ごめんな遅くなって。仕事でトラブルが発生してさ」 助手席の窓が開き、運転席から身を乗り出した雅にぃがいた。