へえ。そんな偶然もあるんだ。
「だから、サークル活動の打ち合わせで、会っていただけだった。でも、彼女にとっては、隠し事をされていたのがショックだったみたいで」
あ~、分かる。
だって、隠されたって事は、やましい事があるって思えるんだもん。
「何で話してあげなかったの?」
「それは、彼女に誤解されたくなかったから」
「誤解?」
「うん。元カノの話をす事で、未練があると思われたくなかった」
ええ~?
それは逆なんじゃないの?
「隠すから、やましい事があるって思っちゃうのよ」
そう言うと、川上くんは苦笑いをしたのだった。
「その子と同じ事を言ったよ、萌ちゃん。あいつも言ったんだ。未練があるから話せなかったんだろって」

