ガラスの靴をもう一度



川上くんの言葉に、私は首を横に振った。

「むしろ、聞けて嬉しい。そんな大切な思い出を、話してくれた事が嬉しいから」

「良かった。実は、その彼女と別れた原因が、その子の前に付き合った女の子の事でさ…」

きっと、苦い思い出なんだろうな。

笑顔がどこかぎこちない。

「元カノの事を彼女に話していないくせに、その元カノと会っていたのを知られちゃって」

「え…?そうなの?」

ちょっと、ちょっと。

どこかで聞いた様な話じゃない。

「何で、川上くんはそんな事をしたの…?」

「元カノと再会したのは、ほんの偶然だったんだ。その後に会ったのも、サークル関係の事だった」

「サークル?」

「そう。学生の頃、他校生と交流するサークルに入ってて。その他校生ってのが元カノだったんだよ」