「えっ！？」
崇史さんには珍しく、言葉に詰まってるじゃない。
まさか、本当に原田さんと何かあるの？
思いがけない事態に、こっちはすっかり興味津々になってくる。
「崇史さんて、いつも私や雅貴の事ばかり言ってますけど、ご自分だって…」
と、言ってみる。
叩けばホコリは出るものよ。
すると、崇史さんは観念した様に言ったのだった。
「莉子がそう言ったのか？」
「へ！？莉子！？」
莉子っていえば、原田さんの下の名前じゃない。
なぜ、呼び捨てに！？
驚きのあまり、マヌケな声を出した私に、崇史さんは青ざめた。
「おい、まさかカマかけたのか…？」
今ごろ気付くなんて、崇史さんも普通の男なのね。
ちょっと安心。
