今度こそ鍵を開ける私に、崇史さんは言った。
「誤解しないで欲しいんだ。俺は、二人にはうまくいって欲しいって思ってる」
「もういいんですって。公私混同し過ぎてたのは、私の方ですから。崇史さんの言った通り」
「それは、逆にうまくいって欲しいから言っていただけで…」
崇史さん、何でそこまで私たちに関わろうとするんだろう。
だいたい、自分はどうなよ。
ドアノブに掛けた手を引っ込めた。
「そういえば崇史さん、あのパーティー、原田さんにチケットをあげたんですね?」
ふいに思い出して、意地悪く言ってみる。
言われぱなしも悔しいから。
すると、崇史さんは想像以上に動揺したのだった。

