「これで満足ですか?じゃあ、私は戻りますので」
今度こそ鍵を開けようとした時、崇史さんにさらに強く腕を掴まれ、私は壁に体を押し付けられた。
「崇史さん…?」
この状況は、かなりヤバイ。
二人きりの密室で崇史さんは、とち狂ったんじゃないかと思ってしまう。
警戒心剥き出しの私に、崇史さんは皮肉な笑いを浮かべた。
「安心しろよ。俺は雅貴とバトルしたいわけじゃないから。萌ちゃんに何もしない」
「だったら、どけてください。普通に話せばいいじゃないですか」
「それは無理。萌ちゃん、案外手こずる子みたいだから。それより、あいつとちゃんと話しをしたのか?」

