「えっ？もしかして、萌ちゃん知らなかったの？」
これには、川上くんも驚いている。
「う、うん…」
何が、雅貴の力になりたいだろ。
そう思って会社に入ったのに、丸きり分かってなかったなんて情けない。
「なんだか意外だな。萌ちゃんは、絶対に知ってると思ってた」
「何で？」
「だって、よく社長室に行くし、こだわってるみたいだから。原田さんが言ってたよ。麻生さんが入社する前は、二人で取り合ってたって。社長室へ行くのを」
原田さ～ん！
なんて余計な情報を流してくれてるんだろ。
きっと川上くんは、仕事熱心さで社長室へ行ってると思ってるんだ。
実は、かなり私情が挟まった理由なんだけど…。
