ガラスの靴をもう一度



「それはおかしい事じゃない。俺たちは好き合ってるんだから…」

「ううん。私は嫌なの…。なんて言うか、世界が狭い感じで。どんどん苦しくなってくる」

俯く私の手を、雅貴は優しく握った。

「俺が、そんなに萌を縛りつけてたのか…」

「違うよ。そうじゃないよ…。私が雅貴に依存してただけ」

麻生さんの歓迎会の日、崇史さんに言われた言葉を思い出す。

依存してるって、そう言われたのは間違ってなかった。

「ごめんね雅貴。私、もう一度自分を見つめ直したい」

すると、雅貴は諦めた様に私の手を離したのだった。