ガラスの靴をもう一度



「おはようございます…」

「あっ、おはよう花ちゃん!」

朝から原田さんは、かなりご機嫌だ。

あのパーティーの日から、妙にご機嫌。

私は、人生が思い切り変わりそうだというのに、羨ましいったらない。

そして何かを感じてる川上くんは、いつも通りに接してくれながらも、さりげなく気遣かってくれている。

今も、目配せで挨拶をしてくれた。

本当、優しい人…。

ゆっくりとデスクへ座り、一息ついた時だった。

突然、内線が鳴った。

「はい、花井です」

こんな朝一番から、何の電話だろ。

不思議に感じながら電話に出ると、

「俺だ」

それは、雅貴からの電話だった。

「あ…」

どうしよう。

動揺して挨拶も出来ない。

すると、雅貴は怖いくらいにドスのきいた声で、言ったのだった。

「今すぐ社長室に来い」

そして、そのまま乱暴に電話は切れてしまった。