ガラスの靴をもう一度



預かり物?

「何?」

ベッドから降り、ゆっくりドアを開けると…。

「これだよ」

差し出されたのは靴の箱だった。

「これ…」

置いてきた靴だ。

「萌に渡しておいて欲しいって。雅貴くん帰ったが、相当動揺してだぞ?別れたって、お前が勝手に思ってるだけだろ?」

「ちゃんと言うって!ありがとう。おやすみ」

箱を受け取りドアを閉める。

お父さんのため息が聞こえてきたけど、今は無視だ。

「この靴、持ってきたんだ…」

箱を見つめていると、涙が溢れ出してきた。

雅貴の想いは伝わるよ。

だけど、もう一度考えたいの。

自分の本当の気持ちを…。