一日中家にいて考えてばかりいると、ネガティブな方向にばかりいく。

雅貴にとって、私と離れていた6年間は、どれほど自由だったんだろう。

“雅にぃ!”って、まとわりつく私もいないし、麻生さんという恋人にも出会えたし…。

もしかしたら、帰国したあの日、麻生さんが隣にいたかもしれないんだ。

確か、お父さんに“婚約者でも連れて帰ったんじゃないか?”って、けしかけられて慌てて空港まで迎えに行ったっけ。

久しぶりに再会した雅貴がすごく素敵になっていて、胸がときめいたのを今でもハッキリ覚えてる。

ホッとしたのにな…。

雅貴が一人で帰ってきてくれて…。

だけど、皮肉な事にお父さんの冗談は、半分事実だったって事か。