オレンジ色の明かりの下で、いつも以上に雅貴は息を乱して私を抱く。
「萌…」
そう名前を呼びながら唇を塞ぐスタイルは、最初の頃から少しも変わらない。
雅貴のクセ…。
そんな新しい発見が嬉しくて、そして憧れだった人と結ばれた事が嬉しくて、どんなに幸せを感じたか…。
あれから5年経って、こんな思いをするなんて、想像もしていなかった。
重なり合う体、抱きしめてくれる温かい手。
それを感じるのも、今夜が最後。
好きだから、雅貴が好きだから。
だから、ずっと変わらない想いで私を見て欲しいの。
雅貴にとって、大事な大事な“妹”として…。

