ガラスの靴をもう一度



電車の窓に映る自分の顔が、笑っちゃうくらいグチャグチャで呆れる。

化粧直しのタイミングを失って、しかもあんな場面を見せられて、メイクはよれよれ、目はすわってる。

「最悪…」

これじゃ、川上くんも心配するわ。

雅貴たち、あれからどうなったんだろう。

込み上げる涙を抑えて、さっきの場面を思い出す。

二人のキス、そして麻生さんを抱きしめた雅貴の顔。

苦しいくらい、何かに葛藤している様子だった…。

雅貴、嘘だよね?

私を使って、麻生さんを忘れようとしてるだなんて…。

信じていいよね…。