何で?
何で、麻生さんのキスを拒まないの?
何で、受け入れるの?
それに、プロポーズって何?
二人は結婚を考えていたって事?
私には、言ってくれない言葉を、麻生さんには言ったって事…?
何がなんだか分からないくらい、頭は混乱状態。
何で?どうして?
その言葉だけが駆け巡る。
唇を離した麻生さんは、雅貴の背中に手を回した。
「懐かしい…。この感触…」
胸に顔を埋める麻生さんは、静かに目を閉じた。
「ねえ、雅貴。もう一度、私との事を考えてよ。萌ちゃんは、雅貴にとっては、大事な妹の様な存在なんでしょ?その子と気持ちに嘘をついたまま、付き合ってていいの?」

