「思い出すも何も…。今さらこんな事されたって」
雅貴はあきらかに動揺してる…。
目の前で二人のキスを見てしまって、立っている足が震えてきた。
「もう昔の事って言いたいの?だったらもう一度、キスしようよ。そうすれば、思い出してくれると思うけど」
「優花…、やめろよ」
顔をそむける雅貴に、麻生さんはまた背伸びをして、その顔を両手で包み込んだ。
「覚えてる?雅貴がプロポーズしてくれた時の事。あの時も、こんな風にキスをしてくれたよね?」
雅貴はゆっくりと、麻生さんに顔を向けた。
その瞬間、再び二人の唇は重なったのだった。

