どこまでも、私たち溝が深くなっちゃうのかな…。

すれ違ったままなんて、嫌だよ。

「それにしても、人が多い…」

結局この時間まで、崇史さんにも原田さんにも会っていない。

怪しい二人だわ。

改めて問い詰めてみよう。

部屋を出ると、それまでの騒々しさが嘘みたいに静かだった。

「こっちの方が落ち着くなぁ」

伸びをしながら化粧室へ向かって歩いていると、聞き慣れた声が微かに聞こえてきた。

「優花、お前何を考えてるんだよ」

それは紛れもなく、雅貴の声だった。