「真木さん!?」

川上くんと私は、同時に崇史さんの名前を呼んだ。

「何で、川上くんと花井さんが?」

崇史さんは、私たちがいる事がよほど驚いたのか、目を丸くしている。

「実は、麻生さんからチケットを二枚頂いたんです。だから、萌ちゃんを誘って」

「そ、そうなんですね」

それにしても、そんなに驚く事かしら?

崇史さんは、少し青ざめた顔で人混みへ消えて行った。

「なんだか真木さん、いやに驚いていたな」

「ほ~んと」

そんなに私たち二人が…、ん?

待って!

何で、原田さんが一緒なのには驚かなかったんだろう?

私の隣にいるんだから、見えてないはずはないし…。