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「で?何で原田さんまでいるんですか?」

業務終了後、川上くんと待ち合わせをしている正面玄関に、原田さんがやって来た。

濃紺のスーツに、いつもとは違う華やかなメイクをして、颯爽と歩いてきたのだった。

「だって、私も行くんだもん」

「ええっ!?そんなの聞いてないですけど」

「そりゃ、そうよ。私だって二人が行くのを、さっき知ったんだもん」

しれっと言った原田さんは、手鏡を出し、ヘアスタイルのチェックをしている。

「何、花ちゃん?私がいたら邪魔?」

「いえ、そうじゃないですけど…」

これじゃ、川上くんと話が出来なさそう。

小さくため息をついた時、川上くんもやって来た。