“雅貴が傷ついてる”か…。

きっと、私の知らない真実があるんだわ。

そして、それを知らないといけない理由もある。

崇史さんが、あんなに雅貴と話しをするのを勧めるって事は、そういう訳から…。

私はそう思う。

そしてそれは、私たちにとって、きっと大事な事なんだ。

考え込みながら、オフィスへ戻っていると、

「萌ちゃん!」

背後から川上くんが声をかけてきた。

「川上くん?どうしたの?そんなに急いで」

息を切らせて駆けてきた川上くんは、二枚のチケットを見せてきたのだった。