だけど、魔法が解けかかってる…。
“萌を見損なった”
その言葉が、胸に突き刺さって苦しい。
麻生さんの事を、思い切って聞いてしまえばいいのかな…。
だけど、怖くて出来ない。
それに、ずるい私は、知られたくないと思ってるから。
メールを見た事を。
雅貴を責めながら、自分の事を棚にあげてるのは一緒だ。
麻生さんとの事を聞けば、きっとメールの内容も問い詰めてしまうから。
ベッドへ行き、一人目を閉じる。
雅貴が出張中の時は、一人で眠れるのに。
今夜は少しも寝付けれない。
雅貴がいるのにいない夜。
それが、こんなにも寂しいものだなんて…。

