暖かい夜風が吹く川沿いの道を歩きながら、川上くんと話しをしていると、少しだけ癒されていく。

雅貴と麻生さんとの事で、頭がいっぱいだったけれど、だいぶ冷静になれたかも…。

「萌ちゃんの手って、柔らかいんだね」

「えっ!?」

川上くんて、何でそんな恥ずかしい事を、サラっと言えるんだろう。

「女の子って感じの手をしてる」

そう言って川上くんは、握る手に力を入れた。

「川上くんの手は、温かいよ…」

それは正直な気持ちで、雅貴以外の男の人の手に、新鮮さを感じていたのだった。