「良かった~。萌ちゃんに気に入ってもらえて」

笑顔の川上くんは、ビールを飲みながら、オススメ料理を教えてくれる。

雅貴とでは、到底来る事の出来ない店。

いつだって高級感溢れていて、VIP待遇を受けるデートとは違う。

だけど、本来の私は、こういう風なのが落ち着くはずなのよ。

気負わず、普通でいられる感じを、私は忘れていた気がする。

「ねえ、萌ちゃん。萌ちゃんには彼氏はいないって、思っていいんだよね?」

「えっ!?」

ほろ酔い気分になってきた頃、川上くんが核心をついてきた。