「だったら、自分はどうなのよ?麻生さんが知り合いだって、教えてくれなかったじゃない」 反論すると、雅貴はため息をついた。 それも、まるで面倒臭そうに。 「それは、わざわざ言う必要もないからだよ。言えば、変に勘ぐるだろ?」 言う必要がない? 元恋人同士だった上、麻生さんは未練があるみたいだし…。 それに、自分だってまだ忘れきれていないじゃない。 今でも夢に見るとか…。 だけど、それを話してしまうと、メールを見た事を知られてしまう。 喉まで出かかる言葉を飲み込んだ。