ガラスの靴をもう一度



顔をそむけると、乱暴に肩を掴まれた。

「萌、そんな風に川上に流されてばかりだから、つけこまれるんじゃないのか?」

「どういう意味…?」

ゆっくり、顔を向ける。

ありったけの嫌悪感を出しているつもりだけれど、雅貴は怯む事なく続けた。

「手を繋がれたり、会議では庇われたり、あいつに誤解を生む様な事をしてるんじゃないのか?」

「それ、本気で言っているの?」

だったら、自分はどうなのよ。

麻生さんとの仲は隠して、私の事ばかり責めて。

雅貴が、こんなにヒドイ事を言う人だとは思わなかった。