だから私は、最初から川上くんを拒めない。
原田さんの言う通り、“ちょっとくらい考えてあげても、いいんじゃない?”
川上くんだって、そう思ってるよね…。
きっと。
そしてその日の夕方、川上くんから食事に誘われたのだった。
「明日の夜、一緒にご飯を食べないか?」
その誘いを、断る事は出来なかった。
それは、雅貴へのささやかな当てつけもあったかもしれない。
だけど、必要以上に拒んで、雅貴との関係がバレるのもいけないと思ったから。
だって私は、雅貴の足手まといにはなりたくないんだもん。
子供の頃からずっと…。

