ガラスの靴をもう一度



「だからって、マズくないか?ブランド物だから目立つぞ?」

呆気に取られている雅貴に、少し腹が立つ。

「そういえば、麻生さんも同じブランドのバッグを、持っていなかった?」

嫌みたっぷりに言うと、雅貴は「あ~、確かに」とわざとらしい返事をした。

「営業にまわるのに、ブランド物はないんじゃない?」

「いや、麻生はあのブランドの店に行くから持っていただけで、他の取引先の時はバッグは変えてるんだよ」

ああ、そう。

そこまで庇う?

そうよね。

自分がプレゼントしたバッグを持っていれば、嬉しいわよね。