ガラスの靴をもう一度



「萌…」

家へ着くなり、雅貴は私を抱きしめキスをした。

仕事のストレスを、こんな風に発散させたいんだろうな…。

嬉しい様な寂しい様な、複雑な気持ち。

それに今夜は、いつもと違って優しさのない抱き方だ。

はけ口のない気持ちを出している感じがする…。

それは仕事のストレス?

それとも、麻生さんの事?

そんな疑問をぶつける事すら出来ずに、その夜はただ雅貴が求めるままに応えていた。

付き合ってから、初めてかもしれない。

こんな幸せを感じられない夜は…。