ガラスの靴をもう一度



「ああ、お疲れ様」

そして雅貴は、小さく手招きをした。

「疲れているみたいですね…?」

側へ駆け寄ると、雅貴は小声で囁いた。

「一緒に帰ろう、萌」

「えっ!?でも、誰かに見られたらマズイよ」

こちらも小声で答えると、雅貴はただ微笑んだだけで、私の手を引っ張った。

「車は、真木に出して貰ってるんだ。さっさと乗り込めば大丈夫」

人の気配もない立体駐車場に止められた車に、雅貴は私を押し込める様に乗せた。

「萌と一緒なら、疲れも吹っ飛ぶよ」