ガラスの靴をもう一度



しばらくして、麻生さんが帰宅した後、私も戻る事にした。

「はぁ~。何とか終わった」

時間はとっくに22時を回っている。

雅貴、まだいるかな?

電気を消して玄関へ降りると、タイミング良く雅貴が裏門から出て行くところだった。

「社長!お疲れ様です…」

誰に見られているか分からない場所で、名前を呼ぶわけにはいかない。

私の声で振り向いた雅貴は、弱々しく笑顔を向けた。

よっぽど疲れているんだ。