「ああ、実はね、取引先と少しトラブルがあって。今日の最後の取引先であったものだから、相当お疲れみたいよ」 「そうなんですか?」 私がつまらないヤキモチを妬いてる間、雅貴はそんな大変な目に遭っていたんだ…。 「大丈夫、なんですか?」 私が心配してもどうしようもないけれど、仕事の足を引っ張りたいわけじゃない。 少しでも支えになりたかった。 「うん。まあ、いろいろ策はあるみたいだから、大丈夫だと思うわよ」 「そうですか…」 策か…。 それは、麻生さんにしか分からない事だわ。