ガラスの靴をもう一度



「ありがとう。麻生がいてくれて助かったよ」

ホッとした表情で、雅貴はそれを受け取った。

「今、真木が下請けに電話をしてるところだから」

「そうですか。お力になれて良かったです」

麻生さんはニコリと微笑むと、バッグを置いた。

雅貴から貰ったバッグなのよね。

それを持って一緒に歩いていたら、昔を思い出すんでしょうね。

なんてひがみ気分で、手はキーボードを打つものの、目と耳は二人に向かう。

「それじゃ、俺は戻るから」