「いえ、そうではないんです。あの…、麻生さんくらいの人が、わざわざ資料を取りに行かれるんですか?」 「え?」 「あの資料、真木さんから貰ってきたものですよね?資料を取りに行くくらいなら、私たち一般職がしますから」 最初はア然としていた麻生さんは、次の瞬間吹き出した。 「いやだ、何かと思っちゃったじゃない。あのね、資料を取りに行くのも立派な仕事よ。私にだってやる義務はあるから」 「それは…」 最もな意見に、言い返す言葉がない。 「それとも花井さん、他に何か理由があるのかしら?」