---麻生さんは、悔しいけどパーフェクトな女性。

仕事も完璧、語学も堪能。

それでいて、綺麗なんだもんなぁ。

社内では、すっかり麻生さんの存在感が大きくなっている。

川上くんも、その仕事ぶりが評価されて、順調に来年はニューヨークに行けれそう…。

「花ちゃん、本当にあの夜何もなかったの?」

デスクでボーッとしていると、原田さんが声をかけてきた。

いけない、いけない。

ボーッとしてた。

すぐにやりかけの仕事を始めながら、声だけ原田さんに答えた。

「だから、本当ですってば。原田さん、何か変ですよ?」