ガラスの靴をもう一度



「ああ、言っておくよ」

雅にぃは、いつの間にかお父さんの背を追い越していて、ますますかっこよくなっていた。

そのお父さんもアメリカ。

実は、最近やっと分かったけれど、雅にぃのお父さんは、有名な会社の社長さんらしい。

だから雅にぃも、その跡を継ぐ為にアメリカへ行くんだって。

しかも6年間も…。

「雅貴くん、今まで萌を可愛がってくれてありがとう」

ただ立ってるだけの私の横で、お父さんが挨拶をした。

「やめてください。萌はこれからも、俺の妹ですから」