ガラスの靴をもう一度



「あ…、ううん。たまたま起きただけ」

嫌だな。顔を合わせ辛い。

時間が経って冷静になると、メールを見た事を後悔してしまった。

絶対にやっちゃいけない事だったのに…。

「そうか。それより、大丈夫か?ごめんな、遅くなって」

雅貴が、心底心配しているのが分かる。

それが余計に、罪悪感を感じさせた。

「大丈夫。ちょっと頭痛いから、お水飲んでくるね」

そう言ってベッドを降りて歩くと、足元がふらついてしまった。

「本当に大丈夫か?萌」

とっさに雅貴は手を取ってくれたのに、私は勢いよく振りほどいてしまったのだった。