ガラスの靴をもう一度


---8歳。

雅にぃは、この春からアメリカへ行く。

それがとても遠い場所だって、何となく分かってる。

だから、ずっと私を避けようとしてたのかな?

この日を雅にぃは考えていて、離れ離れになるって分かってたから、私を避けてたの?

「じゃあな萌。元気でいろよ?」

「うん…」

優しく頭を叩かれて、思わず涙が出てきちゃった。

「泣くなよ萌。手紙、待ってるから」

「うん…」

本当に行っちゃうんだ。

今日、晴れ渡った春の午後、仕事を休んで来た私のお父さんと、雅にぃのお母さんとで、空港までお見送りに来た。

「じゃあ元気でね雅貴。向こうでお父さんにも、よろしく言ってちょうだい」