「ねえ、雅貴にだって、私だけだよね?」

私が知らない雅貴は、アメリカ留学の6年間。

その間の出来事は、怖くて聞けない。

でも、終わった過去なら、こだわる必要なんてないもの。

今を、これから未来を、私と一緒にいてくれるなら、それでいい。

「私だけを、見てくれるよね?」

その問い掛けに、雅貴は返事をしてくれなかった。

ただ、代わりに優しい笑顔で、キスをしてくれたのだった。

信じていいんだよね?

雅貴のその笑顔は、ずっと私の側にあるって…。