ガラスの靴をもう一度



「何で分かったの!?」

「分かるよ。足音が大きい」

「そうなんだ…」

驚いた。

雅にぃって、何でも分かるんだ。

後ずさりした私の手を取って、雅にぃは部屋へ入れてくれた。

黒色と白色だけの部屋。

いかにも、男の人の部屋って感じに見える。

ベッドと机と本棚があって、いつもキレイだ。

「雅にぃ…」

「何?」

ベッドに座った雅にぃが、何だか不機嫌そうに見えて、近付く事が出来ない。

私は少し離れて立ったまま聞いてみた。

「雅にぃ、私の側にいてくれるんだよね?」