左腕はもう見るに耐えない程に
傷だらけになっている
手首から肘辺りまではもう肌色が見えない
肩までも傷跡が残ってる

適当に止血した腕を見つめながら
タバコの火を消して内線電話で黒服を嫌々呼ぶ

「お客さん呼んでいいよ」
「じゃあカーテン前ね」

カーテンの向こう側で黒服と客が会話しているのが聞こえる
あぁ…やだ帰りたい…

急にバッとカーテンが開いた

「おかえりなさいませご主人様」
さっきまでとは変わった高い声を出す

このセリフを言う時いつも自分が嫌いになる