陽だまりに猫




———放課後・教室



初日ということもあって、放課後に残って
何かする人はいないようでみんなチャイム
と同時に帰宅して行った。


私は、


「(もう少し、いようかな)」


教室の窓から見えるグラウンドを頬杖を
つきながら見つめる。


グラウンドでは、サッカー部や野球部、
陸上部などが走っていて。


その姿がなぜか心を震わせた。


カタンという音とともに席を立ち鞄から
あるものを取り出して窓にそっと近付く。


ガラス窓を開けた瞬間に舞い込む風。


手にしていたそれを目の高さまで
持ち上げる。

そこから見える色を、景色を、覗いて。


パシャッ———…



『写真、好きなの?』