———高校一年生・春
その日、私は晴れて高校生となった。
中学のセーラー服とは違う、高校の制服を
着るのにはまだまだ違和感が拭えない。
そして。
『ねえ、名前何て言うの?』
『中学どこ?』
『あの人かっこよくない!?』
「……」
HR開始5分前。
私が教室に入った時には既に女子特有の
グループというものが出来上がっていた。
「(早い…)」
唖然としてしまい、教室のドア付近で
立ち止まってしまう。
これからの学校生活がかかってる
と言っても過言ではない友だち作り。
みんな必死にもなる、か。
でも。
「(話しかけないでくれるなら、
そっちの方が楽だな…)」
…人と関わることは、ひどく疲れる。

